”大衆居酒屋Lanterne”を通して表現する、自分らしいお店づくり【Pick Up Brand :Lanterne 丸山さん】



今月から、EATOWNに出店しているレストラン・生産者の方々に、お店やブランドについてじっくりとお話を伺う連載をスタートします。


EATOWNでは、料理のクオリティの高さだけでなく、シェフや働く人の感性・表現、そして思想に強く共感をしているお店と生産者の方に、出店していただいています。


私たちはオンライン上で展開するサービスではありますが、お店のもつ空気感を商品と一緒に届けていけたらと思っています。「お客様に商品のもつ背景をちゃんと伝えていきたい」という想いから、この連載を始めます。


今回は、現在大人気でInstagramでも話題のラムレーズンバターを販売している、「Lanterne」を運営するシェルシュの丸山さんにお話を伺いました。





 

〈Q〉Lanterneはどんな風に始まりましたか。

Lanterne(以下ランタン)は、2014年に代々木上原店、2019年に池尻大橋店オープンしました。そのとき代々木上原近辺でMAISON CINQUANTECINQとGrisをやっていて、代々木上原店の物件はMAISON CINQUANTECINQの2軒隣。もともとブラッスリーがあって、そこで(丸山さんが)働いていたこともあったのでよく知っていて、Grisをオープンしたその流れで不動産屋さんに物件を紹介してもらいました。新店の出店は計画しつつも最終的には物件ありきで考えるので、池尻大橋のランタンもそうでした。


吹き抜けで天井が高く、地下だけど雰囲気がいいなという印象があったので「なんかやりたいな〜」というところから、考え始めました。レストランをやろうかな、ワインのお店にしようかな、とスタッフの皆とも色々話していました。


Gris(カジュアルビストロ)のすぐ近くだったこともあり、バランスを考えて、結果として居酒屋になりました。大学の時に居酒屋でバイトしていて、料理が好きになったきっかけでもあった居酒屋をコンセプトにしました。





「居酒屋がいい」と思ったきっかけは、その頃から毎年パリによく行っていたことも関係していて。もともとヨーロッパの文化が好きで「自分が好きな、パリにあるようなお店を日本でやりたい!」という想いから、MAISON CINQUANTECINQを始めました。けど、海外に行けば行くほど「日本人らしいことをしたい」と思うようになってきた。


海外の料理人たちは、自分たちらしさというのを持ちつつ、いろんなことをインプットして店を表現していることが多くて。日本は輸入文化が強いけど、外国人の料理人たちはパリで修行して、自分の国に帰ってお店を始めるときに、母国のことや風土を取り入れていれていて、パリでやってきたことと全く同じことをやろう思っていなかった。


それに感じるものがあって。前まではフランス人になりたいくらいで、それでMAISON CINQUANTECINQでそのままのパリをやりたいと思ってたんですけど、自分を見つめ直したというか、「日本ってこんな素晴らしいこといっぱいある」「こういうこと好きだったな」「海外の人も日本好きなんだ」とかいろいろ感じて、真似をするだけでなくオリジナリティのある、自分らしいお店をやりたいと思いました。



パリのビストロは人が集まっていて、賑やかで。その日本版ってなんだろう?って考えたときに、めっちゃ居酒屋だなと思って、パリでワイン飲んでる人が(日本の)居酒屋で話してる人にみえてきたんですよ(笑)。全然一緒じゃんと思った。





そこからランタンのコンセプトが自分の中でハマりました。ちょうどフランスからの帰りの飛行機で、やること決めなきゃなと思ったときに、自分のルーツである居酒屋をやればいいんだと思った。しかも代々木上原には大衆居酒屋が少なかったし、チェーン店も入ってきてない。


そしたら考えがさらに広がって、代々木上原だったらサンクの2軒目にこれそう、あの人も来てくれそう、フレンチにハードルが高いと感じてる人も来れるな、とお店が盛り上がる感じが想像できました。



「自分たちのフィルターで大衆酒場をやる」というのがランタンの誕生秘話です。

店名も直前まで決まんなくて、地下だからチッカにしようとしてたり(笑)。直前で赤提灯のイメージから提灯=Lanterne(フランス語)にしました。



ー(ランタンのメニューについて)


今では看板メニューの唐揚げですが、最初から唐揚げ推しだったわけではなくて。大衆居酒屋のスタンダードなメニューでやっていたんですけど、ある時スタッフみんなと試作でつくった唐揚げがものすごくいいよね、となって。

フレンチだと表面を焼いて中に肉汁を閉じ込めて、という作り方をするので、唐揚げも同じだなと。低温で火を入れて、もう1回揚げて表面をカリッとさせて。僕自身、鶏肉料理ではローストチキンが大好きなんだけど、それに近いような肉汁をもっていて、濃すぎない味付けで、毎日何回も食べたいなと思える唐揚げができました。


その頃ちょうどハイカラ(ハイボール+唐揚げ)が世間的に認知が広まっていたこともあって、推しメニューにしようというので、ランタンのメニューの基盤ができてきました。



と、今でこそバー以外でカクテルを提供するのはスタンダードだけれど、2014年頃はパリのレストランがカクテルを出し始めた時期で。乾杯はシャンパンが普通だったけど、一部のカジュアルダイニングで「最初はジントニックで」とかをする、イケてる店が出始めてました。


それをランタンに落とし込んで、ボタニカルなカクテルをつくりました。きゅうりの入ったジントニックだったり、エルダーフラワーを使ったものだったり。焼酎・ハイボール以外にもカクテルがあって、おつまみも日本の居酒屋の定番もありながら、世界中の美味しものを取り込んでいるのが、ランタンの特徴です。





ー(ランタンの内装について)


空間だけは、好きなようにする!と決めてて、ありきたりな居酒屋の内装にするつもりはなかったし、お金もなかったので自分たちでDIYでやってたんですけど、居酒屋をめちゃめちゃお金かけて作って綺麗にしても、落ち着く雰囲気じゃなくなっちゃうなと。自分たちでペンキ塗ったりして、ある種のラフさや人の手を感じる温もりが居心地につながると思った。


あと、大きいテールがランタンの特徴。当時のKINFOLKにもインスピレーションをもらいギャザリングすることで食の喜びをシェアできると思った。


大きなテーブルを囲んで、ぎゅうぎゅうに席に座ってる感じとか、いつの間にか隣の人と仲良くなってる感じとか、居酒屋っぽくていいなと思って。代々木上原のお店でも、池尻大橋のお店でも大きいテーブルをいれました。店に一体感がでたので、それもよかったです。





ー 丸山さんの根元にあるものが表現されているのが伝わってきました。


お酒があって、人がいて、わちゃわちゃしてるのがすきなんですよね。そこに想像以上の料理が出てくるのがよかったので、シンプルな理由です。



 




〈Q〉ラムレーズンバターはどのようにして生まれた商品ですか。

もともとはランタンのお店で出していなくて、ケータリングの時に考えたメニューです。


バターはフランス料理では身近であり、大切な食材。フランス産の乳製品や発酵バターの風味は本当に素晴らしい美味しさです。そんなバター好きがこうじて、今までも色々な合わせバターを作ってきていて、今回のレシピが生まれました。バターにクリームチーズを混ぜて、カステラからヒントを得てざらめで食感を出しました。





ーお店ではいつから出しているのですか。


池尻大橋のお店で何か甘じょっぱいおつまみを入れようかという話が出たときに、よくバーとかでラムレーズンがでてきたりするじゃないですか、あのイメージで自分のレシピをお店に提案しました。店の中心メニューにするつもりはなくて、ちょっと飲んだ後にもう少し食べたくなるような、はじっこにあるようなメニューだと思ってますが、皆頼んでくれるようになってしまいました(笑)。



ーEATOWN内でもすごく人気商品で、特に若い女性からの支持も高い。パッケージがとてもかわいいですよね。


パッケージのイメージは、フランスのスーパーとかデパートに並んでるようなイメージで、バターといえばあのパッケージだなと思って。紙に印刷してあって包んであるようなのが良くて、(現地のスーパーに)そのまま並んでてもおかしくないようなもの。


イラストは三宅瑠人くんに依頼しました。彼の作品のファンだったので、デザインを提案してもらった時はイメージを超えていてとても嬉しかったです。





〈Q〉ラムレーズンバターのおすすめの楽しみ方などありますか。

クラッカーもいいですが、バゲットを薄くスライスして、焼かずにそのまま塗ってもらうのが美味しいかなと思っています。ざらめのガリガリ食感がアクセントになっています。おやつに食べてもらってもいいし、おつまみにも。(冷蔵庫から出してすぐの)硬いままでも、柔らかくしても。


お店で出すように、ワインと合わせるのはもちろん、ウイスキーとも相性がいいと思います。そのまま食べるのがおすすめですけど、好きにアレンジしてもらって、楽しんでもらって。コッペパンに挟むのも、美味しそうですね。





〈Q〉EATOWNに参加した理由やきっかけは何だったのでしょうか。

関口さん(EATOWNの発案者)に言われたので、はい、やりますと(笑)。

お酒を飲みながら熱い話を聞いて、自分たちの力だけだと近くの人にしか届けられないけど、もっと多くの人に届けてもらえるのはいいと思ったし、渡辺さん(EATOWNセントラルキッチンのシェフ)が手作りしてくれることも、信頼して任せられるなと思った。簡単なレシピだけど、人によって全然出来が違ってくるので。



〈Q〉今後の丸山さん自身の展望は何かありますか。

自分のアトリエキッチン。都会の中にあるルーフトップファーム。うちのスタッフもみんな土と自然に飢えています(笑)。


従業員が企画した店もやりたいですね。話しきれないくらい展望はあります。



 

丸山さんが大事にしている価値観や、そのときに感じたことを大切にしながら、お店を通して素直に表現していて、それが共感を産んでいるからこそ、多くの人に愛されるお店になっているのだということを改めて感じました。


自店舗だけに留まらず、さまざまな飲食店のプロデュースでも引っ張りだこの丸山さんの感性、そして今後の展望のお話をきいて、飲食業界の未来を明るくしていく人物であり、こうして一緒に事業をできることを非常に嬉しく、ありがたいことだなと感じる時間でした。


ぜひ興味を持ってくださった方は、Lanterneのお店へ足を運んでみてください。





 


●人物紹介


丸山 智博(まるやま ちひろ)

1981年生まれ、長野県出身。株式会社シェルシュの代表兼エグゼクティブシェフ。代々木上原を中心にフレンチビストロ「MAISON CINQUANTECINQ」レストランと器ギャラリーの「AELU」居酒屋「LANTERNE」等人気の飲食店を運営するほか、ケータリング、メニュープランニング、ショップディレクション、フードスタイリングなど“⾷”に関わる様々な場でマルチに活躍しています。


●店舗紹介

LANTERNE代々木上原

〒151-0066 東京都渋谷区西原3丁目5−3 ルネ代々木上原 B1F


LANTERNE 池尻大橋

〒153-0043 東京都目黒区東山3丁目1−11 サンサーラ東山1F 公式HP:https://lanterne.jp/

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